Diary


04年11月19日(金) 立って歩け、前へ進め

 「立って歩け、前へ進め。あんたには立派な足がついてるじゃないか。」

 鋼の錬金術師、エドワードの言葉。

 凹んでいるヒマはない、前を見て、進むだけだ。

 だって毎日はこんなに楽しく充実しているじゃないか。










 俺「快調快調♪ 完全に完治してるね。」



 学校の敷地内を疾走するシルバーの車。

 戻ってきたのだ、遂に。

 俺の愛車が。

 敷地を一周したところで、車を降りてお世話になったディーラーさんに頭を下げる。



 俺「カンペキです! ありがとうございます!!」

 ディーラーさん「いやー… その… すみません。コレね、違う車なんですよ。」

 俺「えッ…!?」



 ナンバーを見ると、俺の相棒じゃなかった。

 そこで眼が覚めた。





 ………。

 なんて、生々しい夢…

 理不尽な事故で相棒を失ってから、9日…

 遂に、夢にまで見たか。

 相手に対する怒りは、消えない。

 消えることは無い。

 平静なのは、周囲に『カリカリするな』と言われたからだった。

 自分の対応が悪かったことに、自分で後めたい気持ちになったからだ。

 沈んでいた怒りは再び浮き上がる。

 …本当は相手からむしり取ってでも修理してやりたい。



 …たとえ保険屋の下す裁定が10:0という結果でなくても、

 俺にあのときできたことは『停車』だけ、何の非があるのか。

 非があるとすればあの細道を使ったことなのか?

 バカな…

 理解不能なものを見た瞬間だった。

 まさしく『仰天映像』の世界を自分で体験してしまった。

 もう、相棒は帰ってこない。





 泣きたいくらい凹んだが、金曜日は仕事…

 遅刻できないので相当早めに出る。

 ふぅ、今日の仕事…

 いや、レポートチェックもネタになるのだろうか。



 …今日のレポートチェックは8通。

 正直言って、実験の面倒を見ながら8通見るのは大変。

 大変だが、K氏伝いに聞いた『5班うけもち』とかになると、

 初日デフォで10通、再提出が増えれば20通くらい一度に見るハメになるんだろう。

 それに比べたら、再提出、再々提出を言い渡した学生のを

 合わせて8通なんて軽いということだ。



 まず再々提出の2人を見る。

 ………。

 1人は申し分ない程度にはなっている。

 もう1人は… ううむ、あまり出来は良くない。

 しかし『再々々提出』にしたら先生方は『ちょっとやり過ぎ』と仰るだろう。

 1年生のレポートだからって甘やかすのはよくないと思うし、

 俺はこのレポートを通したくない。

 …だが、このまま全部のレポートを『納得のいくレベル』に仕上げさせていったら

 全員の評定が『A』になってしまうので、ここは再々で受け取り。

 彼の評定は、『C』だ。

 初回の提出は、真っ白だったしな…



 …ところが、『再提出』組の4通で、ついに出ました。

 『修正して来い』って言われたところをまったく触れもせず提出してくる輩。

 多分、前期はそれでまかり通ったんだろう。

 というか、普通は『再々提出』ってのをあんまりやらないみたいだから。

 ………。



 俺「前回と同じ。また頑張ってきてください。」



 ちょっとでも手を加えてる人には、『再々提出』のときは

 答えに近いヒントを与えるんだけど、彼にそれをしてやる価値はない。

 …いやしかし、そうだな…

 さっき『C』を付けた子…

 彼を『基準』にして評定をつけていこうと思っていたのだが、

 彼は再提出のたびにある程度の努力を見せている。

 ならば、『B』にしてやるか。



 で、今回は『再提出』だけでレポートを通過したのが1人。

 彼のレポートは、『過去レポート』の間抜けな内容が混ざっていない。

 『過去レポート』は大体見当違いなことが書いてあるのだが、

 彼のレポートは『自分でまとめました』というオリジナルのオーラが出ている。

 ふむ、すばらしい。

 『S』があるのなら『S』とつけてやりたい。



 他は全員再提出および再々提出。

 えーと、次回は9通か。大変だな。

 ふー、自分が『あの院生はラクだ』、『あの院生は厳しい』なんてウワサしてた様に、

 きっとウワサされてるんだろうな。

 多分、こんな内容。



 『化学に関係ない学科なんだから少しは甘くしろよなー。

 「再々提出率80%」なんて言ってたぞ。やり過ぎじゃねーの?』



 うーむ、目に浮かぶようだ。

 しかし、教える立場の人間は不満をぶつけられるのが常。

 その程度のことでひるむ必要はないのだ。

 厳しい方が相手のためになるしな。少しは自分で考えてほしいんだけど…





 研究室に戻る。

 …そうだ、明日は研究室の報告会なのだ。

 先生がいないのだから、俺らが自主的に開催しなければならない。

 というわけでやることになったのです。

 言いだしっぺは俺だ。

 やらなきゃやらないで楽なんだが、楽をしてもいいことは無い。

 みんなパソコンに向かって格闘しています。

 この報告会が終わったら、あとは加速度的に卒業に向かっていくだけ…

 このメンツともお別れが近いんですね。

 寂しくなるけれども、人は前に進むだけ。



 さて、明日も頑張りますか。